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「まるで水墨画の世界がそのまま現れたみたい…!」
とSNSでも外国人に圧倒的人気を誇る飛騨高山。
その美しい古都を華やかに彩る風物詩が「高山祭」です。
屋台行事が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されて、ますますグローバルな注目を集めています。
高山祭は、春の「山王祭」と秋の「八幡祭」の2つを指す総称。その始まりは、16世紀後半~17世紀頃と言われています。櫻山八幡宮の例祭である八幡祭に対し、山王祭は旧高山城下町の南半分の氏神様である日枝神社(山王様)の例祭。安川通りの南側・上町に、12台の屋台が曳き揃います。
神社の大切な祭祀なので、春のお祭りは4月14、15日、秋のお祭りは10月9日、10日と、日にちが決まっているんですよ。
平日だというのに、古い町並みはこの人だかり。
外国人観光客と地元の皆さんが入り混じって、みんなウキウキ楽しげです。
お祭りの日のムードって、なんかいいなぁ☆
あれ、屋台蔵の戸が全開になってる!!
中は既にもぬけの空…。いったいどこに行ったんだろう?
屋台が通った後にできた車輪の跡を辿っていきます。
ちなみに…
屋台は木の大きな車輪に、こんな風に金属が巻かれているんです。
それぞれ造りが違うので、見比べてみるのも面白いですね。
中橋の上に屋台を発見!
絢爛豪華な屋台に中橋の朱色、また年によっては桜の淡いピンクが彩ることも。
これぞ日本文化と自然が融合した究極の美しさ!
華やかで雅な和の光景です。
高山陣屋前に、ものすごい人だかりを発見。
その向こうには屋台の姿が見えます。
どうやらこれから、お昼のメインイベント「からくり奉納」が行われる模様。
このからくりこそ、高山祭の見どころの1つなんです。
日本語、英語、スペイン語…と、様々な言語でからくり開始の案内放送が流れます。
さすがWorldwideな日本の観光地Takayama!
春の高山祭では12台の屋台のうち「三番叟」「龍神台」「石橋台」の3つがからくり人形を持っています。
奉納の順番は毎年くじで決まりますが、この演目は必ず最初に行われるそうです。
モチーフは日本人なら誰もが知っている、浦島太郎。
謡曲「浦島」に合わせて、おかっぱ頭の可愛い童子が踊ります。
柔らかな手や頭の動きは、まるで生きているみたい…!
先端の玉手箱に、だんだん近づいてきました。
うわ~、開けちゃダメ!!!
あ、箱に顔つけた…。
次の瞬間、白い髭の生えた翁に変身!!
だからダメって言ったのに~と思いつつも、一瞬の出来事に観客は大興奮です!
知っているお話は、世界観に入り込みやすいのもいいですね。
続いて行われたのは龍神台のからくり奉納。
こちらは初めて知るお話でしたが、奉納の前に放送で物語の説明が入るので安心です。
どうやら、酒乱のおじいさんが壺に入れて竹生島に置き去りにされ、怒り狂うというストーリーみたい。
それっておじいさんの自業自得なんじゃ…?
けっこうカゲキな物語ですね。
最初に現れたのは童子と立派な壺。
この可愛い男の子に捨てられちゃうのね、おじいさん(涙)。
壺から赤ら顔の龍神が登場!!
(すごい酔っぱらってる…)
髪を振り乱して、激しく舞い踊ります。
(メッチャ怒ってる…汗)
あ、花吹雪♥
あんなに怒り狂っているというのに、なんという美しさ!!
拍手と歓声が沸き起こります。
今回トリを飾ったのは「石橋台」。
扇笠姿の美女「石橋人形」がとても艶やかです。
こちらは美女の打掛けがめくれて、獅子に変身するというもの。
龍神台とは違った意味でカゲキなからくりです♥♥
実際、明治時代には、風紀上好ましくないとされて差止めされていて、100年近く経った昭和59年に復活したそうですよ。
日本美女が、優雅に舞を踊ります。
人形とは思えない艶めかしさ。
おっ! 打掛けがめくれた♥
目を見張る間もなく、獅子に早変わり!
長唄「英執着獅子(はなぶさしゅうちゃくじし)」に合わせて、激しい舞が繰り広げられます。
再び美女の姿に戻って、牡丹の花を手に舞い納め。
ふぅ、何だかとても心揺さぶられるからくりでした。
綱さばきひとつとっても、熟練の技を要するからくり奉納。
町ぐるみで祭りを受け継いでいくことの尊さを感じます。
夜祭が始まるまで、しばし高山の町中を散策。
食べ物の屋台もずらっと並んでいて、学校帰りの学生さん達も楽しんでいます。
日中は300年以上続く伝統行事「御巡幸」も。
獅子、闘鶏楽、裃姿の警護など、伝統装束に身を包んだ300名が町を練り歩きます。
こちらは、人だかりができていた「不動(うごかず)の御旗」。
天保8年に飢饉を救って以来、災難よけとして大切にされているそうです。
神明町通りにずらーっと曳き揃えられた8台の屋台も迫力満点です。
ここで記念撮影もオススメですよ☆
(※15日は本町一丁目・二丁目とさんまち通りに曳き揃えられます。)
夜の帳が下りた高山の町。
町じゅうが幻想的な提灯の灯りに包まれます。
お祭りならではのざわめきって、やっぱり心が浮き立ちますね♪
行列の先頭を行く獅子舞たち。
澄んだ笛の音が、夜の闇に響き渡ります。
行列には可愛らしい子どもたちの姿も♥
どこの町内も「うちが一番!」と誇りを持っているという屋台。
国の重要有形民俗文化財でもある絢爛豪華な12台は、「動く陽明門」の異名を持ちます。う~ん、しびれますね!
ろうそくの温かい光をゆらめかせ、車体を優雅にしならせる姿は、ため息ものの美しさです。
それではその意匠を、一部ご紹介しましょう!
まずは先陣を切る神楽台。
屋台行列を先導する屋台。金の鳳凰をのせた直径118㎝の大太鼓に注目です。
「琴高、赤鯉に座しに来る」という故事にちなんだ意匠の「琴高台」。
丸山応挙ら最高峰の絵師の作品が集結した「五台山」。
金づくしの意匠がまばゆい、中国風の「崑崗台」。
三層構造で、最大級の大きさを誇る「青龍台」。
ユニークな怪人像など、異彩を放つデザインの「恵比須台」。
こちらの「麒麟台」は圧巻の一刀彫の技を堪能できる屋台です。
一木をくり抜いて彫り上げた籠と中の鶏の繊細な技術は圧巻!
名工・谷口与鹿氏による傑作です。
通りの向こうから現れた屋台が、方向転換する姿も迫力がありますね。
神々しさと祭りを受け継ぐ人々の誇りと温かさを併せ持つ「高山祭」。
この先の時代もずっと、続いてくことを願わずにいられません。
ユネスコ無形文化遺産の登録を記念して、4月29、30日に「高山祭屋台の総曳き揃え」が行われました。
このイベントの何がすごいかというと…?
普段は決して一堂に会することのない春の高山祭の屋台12台と、秋の高山祭の屋台11台、合計23台が同時に曳き揃えられること!
これは実に55年ぶり、半世紀以上ぶりのこと。
滅多に見られない光景が目の前に広がる、夢のような大イベントが実現しました。
ユネスコ無形文化遺産に登録され、ますます勢いづく高山祭を是非一度肌で感じてみて下さい☆
名称 | 春の高山祭(山王祭) |
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会場 | 日枝神社 他 |
開催日 | 毎年4月14日、15日 |
開催時間 |
【14日】 11:00~、14:30 からくり奉納(約50分) 18:30~21:00頃 夜祭 【15日】 10:00~、14:00 からくり奉納(約50分) 両日 9:30~16:00 屋台曳き揃え 13:00~16:00 御巡幸(15日は12:30~) ※2017年のスケジュールです。 |
駐車場 | 約2,000台(30分150円) |
問い合わせ | 0577-35-3145(高山市観光課) |
WEB | takayama.lg.jp |