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自分で打ったそばで年を越せたら。家族や大切な人に振る舞えたら。
いい年を迎えられそうだと思いませんか?
若い女性でも、ご家族でも、気軽に楽しく本格的なそばを打てる場所をご紹介します。
秋が深まる、岐阜県中津川市。
栗きんとんや馬籠宿が有名ですが、実はそばも特産の町。
恵那山を望む木曽川沿いに、「道の駅 きりら坂下」があります。
坂下駅から歩いて10分、かわいい三角屋根の建物が見えてきました。
この2階の奥が、そば打ち体験どころです。
机の上には、天然の木を使った道具が並んでいます。
今回教えてくださるのは、左から糸魚川さん、日比野さんのおふたり。
よろしくお願いします!
おいしいそばのポイントは、挽きたて・打ちたて・ゆでたての「3たて」。
きりら坂下のそばも、地元「椛の湖自然公園」のそば粉を使った、「3たてそば」です。
今回は特別に、製粉室で「挽きたて」を見せていただくところからスタート。
毎年8月中旬~下旬にまかれる種は、9月中旬~下旬にはそばの花として満開に。
そばの実は加工され、11月に新そばとして出荷されます。
きりら坂下では、併設のレストランで使う分を含め、毎週1回、135kgのそば粉を石臼で挽いています。
こちらがそば粉。
手前が新そば粉、奥が昨シーズンのものです。
新そば粉のほうが、少し緑がかっているのがわかりますか?
きりら坂下では一年中挽きたてのそばを楽しめますが、11月~12月だけの新そばは格別とのこと。
ちょうどよい時期に来たので、期待がふくらみます!
さて、次はいよいよ「打ちたて」に挑戦。
エプロンを着て、準備万端!
まず粉を合わせて、ふるいにかける作業。
小麦粉100g、そば粉400gの割合は、いわゆる「二八そば」。
小麦粉を加えることで、つるつるとした喉ごしに。
一気にふるいに入れると……
日比野さんが「O型かB型でしょ?」
えっ!!なんでわかったんですか!?
「団体でやるとき、入れてって言うと大体AとABは何度かに分けて慎重に入れるの。OとBはいっぺんに入れる。OとBだと進むのが早いのよ」
なんと、その場にいた全員が同じ血液型とわかり、盛り上がります。
団体・個人のお客さんにかかわらず、こんな風に笑い話を交えながら講習を進めるそう。
「そば粉と小麦粉と水がよーく混ざるとおいしくなるから、まず粉をふるって混ざりやすくするよ」
ふるった粉を平らにならして、水を2回に分けて入れて混ぜます。
「水は、210gから270g。天気や粉の挽き具合、お客さんの人数で違ってくる。今日は242g」
この日は240gだと固め、250gだと柔らかすぎるそう。2gで違いが出るなんて!
「手はこう。間隔を開けて、先っちょ曲げて。粉を端から真ん中にかぶせて、まわす」
「使うのは指先だけ」
「かぶせてかぶせてかぶせて。そうそう、今度はちゃっちゃっと持ち上げて、こんな感じで、そうそう、そう!もっともっと。もっともっとー!こうよ、こうこう」
日比野さんが、身ぶり手ぶりを交えて、リズムのよく指導してくださいます。
「ふふふ。やかましいでしょ」
ふふふ。
「ダマがあるところは水が多い。乾いてるところは水が少ない。たっぷり持って、力を入れて、ゴシッともむと、そばの香りが出てくる。匂ってごらん」
教わったように、たっぷり持って、ゴシッ……と。
わぁ……そばの香り!
「すばやくムラなくこまかくね。簡単に言うと、ちゃちゃっとやること!これが味をつくるよ」
次第に粘りが出てきて、小さいかたまりになってきました!
水を含んだそば粉の緑色が目立つように。
混ぜて混ぜて混ぜて……よいしょっと。これで「味」が完成!
次は「つながり」の部分。
つるつるっと食べられるか、ぶちっと切れるか。
ここでしっかりこねておかないと、切るところまでは長かったそばが、ゆでる段階で短く切れてしまう。
ちなみに、プロと素人の違いも、味よりもまず「つながり」に出るそう。
プロのそばは1週間経ってもつながっているけれど、素人のそばは1日もすれば切れ始めるので、日にちを置けないと教わりました。
おもちのような、すべすべのツヤが出てくるまで、
木桶の淵を使って、片足に体重をかけて、こねていきます。
「そうそう、いい感じ。こんな風にぐっと、ね。そうそう」
こつが必要なので、日比野さんが手を貸してくださいます。
ついにのばす作業へ!
少しずつ、真ん中から淵へ向かって、30cmくらいの丸型にのばします。
「ちょびっとずつね。丸が壊れずに大きくのばせるよ」
十分に丸を広げたら、今度は四角にするために、生地を麺棒に巻きつけ「角出し」を。
手のすぼめ方、力の入れ方を教わります。
「巻いたまま、軽く力を入れて転がして。ほら、開くと……」
ほんとだ、角が出た!
「いい感じ!」
4つの角を出して、全体を広げて、完了です!
最後は切る作業。
打ち粉をつけ、半分に折って、3つにたたみます。
そばの上にはこま板をのせて。
包丁を沿わせ、下ろしたあと、少し傾けて、こま板をずらす。
このとき、細さを気にしてそばを見ながら切ると、うまくいかないとか。
「切る、倒す、切る、倒す、切る、倒す。手元を見ちゃだめ」
「遠くを見てても切れるよ、ほらね」
切る、倒す、切る、倒す。
見ない。息を止めない。肩と左手に力を入れない。
とん、とん、とん、とん。
「じょうずだね!」
やったー!
おふたりも自分ごとのように喜んでくださいました。
打ったそばは、持ち帰ることもできますが、「ゆでたて」で食べることもできます。
沸騰したお湯に、途中で2回差し水をしてゆでます。
箸でかき混ぜると切れてしまうので、2分間じっと見守っているのがポイント。
ざるに上げ、氷水で洗ってぬめりを取って。
盛り付けたらできあがり!
プラス200円でオーダーできるかき揚げは、お客さんからの注文率、ほぼ100%!
この日は、にんじん・たまねぎ・さつまいもが入った、いろどり豊かなかき揚げでした。
ではでは……いただきまーす!!
初めての手打ちそば。
切れずに箸に取れるのも、つるつるとした喉ごしも、しかるべきステップを踏んだから。
工程を知ることで、よりおいしく感じられます。
お客さんの層は、若い方から年配の方、ご家族、カップル、外国の方と、幅広いそう。
単身赴任のお父さんが、息子さんと仲良くそばを打っていた話をうかがって、今度は誰かと一緒に来てみたいと思いました。
帰りは1階のおみやげ売り場へ。
地元産のそば粉も販売されています。
新そばの季節は全国から注文が相次ぎ、品切れになることも多いとか。
土地柄、長野と岐阜、両方のお土産を買うことができます。
今回は中津川の特産品を中心にセレクト。
「中津川めぐり」は、観光地の写真と特産品の味を紹介しているかりんとう(右から、そば味・栗きんとん味・ちこり緑葉抹茶塩味 1袋350円・3袋1,000円)。
東濃エリア名物の「からすみ」は、大きいものが350円(そば味)、小さいものが180円(黒くるみ・白くるみ))。
旨味くるみみそ、旨味ごまみそ (各580円)、あじめこしょう (一味・七味・ゆず七味 瓶入り各350円)も有名。
恵那川上屋さんの販売スペースも併設。定番の和菓子に加え、夏には栗のアイスが並びます。
五平餅は、定番のもの、そばの実入り、里芋餅の3種類がセットになって400円。
隣にある木曽川沿いの公園で、ぱくっ♪
午前中にそばを打って、お昼に食べて、景色やおみやげを見てから、おやつを食べるのがおすすめプラン。
車で30分の高峰湖では、夕日と水面のコントラストを楽しめますよ。
新そばの季節は、年末まで。
楽しくておいしい年越し準備、中津川でいかがですか。
施設名 | 道の駅 きりら坂下 |
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住所 | 岐阜県中津川市坂下450-2 |
営業時間 | 9:00〜16:30 |
定休日 | 水曜日(祝日の場合、翌日休み) |
TEL | 0573-70-0050 |
WEB | kirira-sakashita.jp |
体験時間 | 10:00~15:30(要予約) |
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開始時間 (3部) |
10:00~11:30、12:00~13:30、14:00~15:30 |
所要時間 | 約1時間30分 |
打ち台 | 12台 最大48名様 |
料金 | ■ 1台(1~4名様) 3,500円(税別) そば粉400g(椛の湖産そば粉)小麦粉100g、打ち粉、麺つゆ、お持ち帰り用パック、指導料 ※ご希望があれば半打ちも可能です(材料が半分になります) ■ 1台(1~2名様) 2,500円(税別) そば粉200g(椛の湖産そば粉)小麦粉50g、打ち粉、麺つゆ、お持ち帰り用パック、指導料 |