
※こちらの投稿への回答は行っておりません。
飛騨古川で、毎年4月19日、20日に行われるお祭りを知っていますか?
普段は静かな古川の町が、この日ばかりは上半身ハダカ(!)の男たちがひしめきあって、ものすごい熱気になるんです。
想像しただけで、ちょっとコーフンしちゃうかも♡(笑)
古川祭は気多若宮神社の例祭で、春の到来を祝うハレの行事。
冬が長くて厳しい古川の人たちにとって、暖かい春はとっても待ち遠しいものなんですね。
国の重要無形民俗文化財にも指定されていて、現在はユネスコの無形文化遺産にも登録提案中なんだとか。毎年必ず同じ日にちに開催されることからも、伝統を重んじた神事であることがうかがえます。
昼近くなり徐々に熱気が増して、人通りが増えてきた町内。日中は屋台行事があちこちで繰り広げられます。
あ、人だかりの向こうに、さっそく屋台を発見☆
きめ細かな彫刻や艶やかな漆は、ため息ものの美しさです。
屋台芸術の傑作としても誉れ高い古川の屋台。
江戸から入った屋台を飛騨の匠が洗練させ、さらに京都よりからくり人形が伝えられたことで、東西文化の融合した独自の屋台が完成したんです。
飛騨はこうした屋台文化のメッカとも言えるんですね。
…な~んてウンチクを語ってるうちに、からくり実演がはじまりました♪
柔和な顔の福禄寿の人形が、イキイキと動きます。
からくりってこんなに精巧なんだ。すごい…!
あれれ、今度は梯子を人形が上りはじめました。
か~わ~い~い~~~
福禄寿の頭を剃るために梯子を上っているところなんだとか。
ちょっと胸キュン…♡
「ヤァッ!!!」
男たちの力強い掛け声と共に紙ふぶきが!
からくりって、こうやってストーリーを楽しみながら鑑賞できるものなんですね。
おもしろ~い!
ちなみにこれは大津絵「外方の梯子剃り」をモチーフにしたもので、福禄寿の肩にかけた梯子を唐子が登り、亀が鶴に変わるという糸からくりなんだそうです。
屋台のそばでは、お囃子の生演奏が。
演奏しているのは、可愛い小学生の少年少女たちです。
この日のために、夜みんなで集まって練習してきたんですって。
えらいなぁ…。
ん? ところでキミ達、今日は平日だけど学校は!?
「今日の午後と明日は休みなんだよ」
え、お祭りで学校がお休みになるんだ!?
羨ましい~。
老いも若きも古川祭にかける情熱って半端ないんですね…。
お、今度は向こうから別のお囃子が聞こえてきました。
なんだろ~?
…しずしずと厳かな雰囲気でやってきたのは、神様のお神輿行列。
神様の通る道には、こんな風に町人の皆さんが塩をまいています。
続いて現れたのは獅子舞たち。
ぎゃーーー、襲われる~(汗)
「疫病退治」「悪魔祓い」をしながら、こうやって各家庭を巡ります。
見た目はちょっと怖いけど、実はとっても優しいんですね(小さな子たちはギャン泣きでしたが…笑)
ちなみに獅子舞の中身は、笑顔の爽やかなお兄さんたちでした。
みんなイケメン♡
次に出会ったら、勇気を出して近づいちゃおっかな♪
絢爛豪華な屋台の曳き揃えは見応えたっぷり。通りを埋め尽くす程の大きさに、ただただ圧倒されます。
屋台の上には女性の姿も。かっこいいな~。
「もともと屋台の上は女人禁制だったんですよ。でも人手が足りなくなったから、数十年前からこうして女の子も積極的に参加するようになったんです」
見とれていると地元のお姉さんが教えてくれました。
古いしきたりにとらわれ過ぎることなく、祭りの存続を第一に考える…。
そんな姿勢からも、古川の人たちの祭りへの真っ直ぐな情熱が感じられます。
ドォーーーン―――
腹の底に響く深い音。
起し太鼓の打ち始めを見るために、夜のまつり広場は昼にも増して大勢の人たちで埋め尽くされています。
さあ、ここから古川祭の華「起し太鼓」の始まり。日本三大裸祭りの真骨頂です!
視線の先にあるのは裸に真っ白なさらしを巻き、ひしめきあう男衆と、蔓三つ葵の紋が入った直径80㎝の大太鼓の姿。
氏子たちに氏神(神輿)を迎える準備をさせるため、太鼓を叩き起こして回ったことに由来すると言われる「起し太鼓」。
祭りの花形でもある起し太鼓と屋台を取り仕切る当番組は、起し太鼓主事と呼ばれ、町内の青龍・百虎・玄武・朱雀の4組から抽選で選出されます。
大太鼓の上にまたがる太鼓打ち、当番組の中から選ばれる太鼓打ちは、古川男たちの憧れ。とっても名誉な役回りなんです。
棒の上では、こんな軽業も披露されます。
キャー、アクロバティック…!!
肉体美を間近で堪能できるのも、裸祭りの醍醐味ですよね♡
祭りの熱気と男衆の逞しいカラダに、アドレナリンも大噴出。
アゲアゲのテンションで、起し太鼓の後を追って町内へ繰り出します。
起し太鼓を先導するのは高張提灯や丸子提灯の行列。闇を照らす温かみのある灯りは、とても幻想的です。
…と、現れたのはまたしても軽業の冴える若者集団。
古川祭では大太鼓の櫓の直後に「付け太鼓」を付けることが名誉とされており、町の辻辻に、こうした集団が計12組、待ち構えて攻防を繰り広げます。
(※激しい攻防戦なので、見学する際は自己責任でケガにご注意ください。)
この日は、地元の酒蔵さんで、ふるまい酒も♪
ちなみにこの日は女性も家々でのおもてなしや救護などで大忙しなんだとか。
「古川祭の日は、お盆よりもお正月よりも忙しいの。うちの人もこの日のためだけに1年頑張ってるって言うくらい(笑)」
とは、おうちの前で競り合いを見ていたお母さんの弁。
こんなお話からも、町が一体となってお祭りを盛りあげていることが分かりますね。
日付も変わった20日未明。
大歓声と共に大太鼓がまつり広場に戻ってきました。
皆さん完全燃焼した良い表情!
翌日には、再び屋台の曳き揃えから曳き別れまで様々な行事が行われ、まだまだ祭りは終わりません。
時間のある方は、お泊まりでガッツリ満喫するのもオススメですよ♪
絢爛豪華な屋台と勇壮な起し太鼓、昼と夜で対照的な魅力を放つ古川祭。
地元の人たちが「1年で一番大切な日」と口を揃えて言う「やんちゃ魂」の激突を、ぜひ肌で感じてみてください。
名称 | 古川祭・起し太鼓 |
---|---|
会場 | 古川町市街地 |
開催日 | 毎年4月19日、20日 |
開催時間 |
【19日】 8:00~16:00頃 屋台各町内曳行 20:00~24:10頃 起し太鼓 【20日】 8:00~14:00頃 昼の屋台曳行・曳き揃え 17:30~19:30頃 夜の屋台曳行・曳き揃え (2017年の日程は未定) |
無料駐車場 | 約1,300台 |
問い合わせ | 0577-74-1192(飛騨市観光協会) |
Web | hida-kankou.jp/event/ |