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「ぎふ長良川鵜飼」を観たことはありますか?
聞いたことはあるけど、実際には…という人も多いのではないでしょうか。
日が暮れ、漆黒に包まれた長良川で鵜匠が鵜を操り、鮎を捕る伝統漁法「鵜飼」。
赤々と燃え上がる篝火に照らされて、目の前に浮かび上がる幻想的な世界に、「わぁ!」と声を上げ、「きれい~!」と思わず見入ってしまいます。非日常的な体験なんです。
乗るにはまず、鵜飼観覧船の予約から。いろんなお客さんと乗る乗合船(一人3,100円~)と、一艘を貸し切って楽しむ貸切船(一艘40,800円~)があります。乗合船は出航時間が決まっていますが、貸切船は17時30分~19時15分の間で自由に決められます。鵜飼観覧船事務所のサイトか、電話、ファックスで予約を♪
予約先 | 岐阜市鵜飼観覧船事務所 |
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開催期間 | 5月11日〜10月15日(9月の鵜飼休み日を除く) |
TEL | 058-262-0104 |
FAX | 058-264-2061 |
Web | www.ukai-gifucity.jp/ukai/ |
船に揺られながら、食べて飲んで楽しめるのも鵜飼観覧の魅力の一つ。お弁当の手配も忘れずに。今回は12人で貸切船を予約。岐阜の名店、楮が営むお弁当専門店「mino」の「岐阜と鮎と飛騨牛の弁当」(2,700円)を注文しました。「出航時間前に、観覧船のりばまでお持ちしますね」。鵜飼弁当は配達してもらえるんですね♪
また、日にちは限られますが、お弁当付きの「おまかせパック」や長良川温泉の各旅館・ホテルが提供する日帰りや宿泊プランもあります。
店名 | mino |
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住所 | 岐阜市八幡町36 |
予約受付時間 | 6:00~15:00 |
定休日 | 無休 |
TEL | 058-263-7784 |
当日は雷雨の予報にハラハラしながらも無事、曇りとなって一安心。(ちなみに増水しない限りは雨でも決行されるそう)
鵜飼観覧船事務所の窓口に行くと、「後楽丸」と船の名前が書かれた乗船券をもらいました!
17時45ごろ、観覧船のりば前では、鵜匠の杉山秀二さんが鵜と一緒に鵜飼を解説。
「鵜匠の各家で野生の海鵜を飼っています。新人の鵜はベテランから鮎の捕り方を学んでいるんですよ」。
鵜たち、今日の漁、がんばって!
長良川の鵜匠は現在6人。世襲制で親から子へと技が受け継がれ、正式な職名を宮内庁式部職鵜匠といいます。毎年8回、普段は禁漁区である「御料場」で、皇室に納める鮎を捕る「御料鵜飼」が行われるそうです。格式高い!
さっそく後楽丸で出航!木造の観覧船にはモーターが付いていないので2人の船頭さんが棹で船を操ります。すごーい!
ゆったりと進む船、穏やかな揺れ、頬をふんわりとなでる風の心地よさに、もう今から気分が上がります!船上から見ると、長良川の波打つ水面はとても近くて金華山はぐーんと上にそびえて見えるんですね。
船に乗ったらみんなでカンパーイ!&いただきます♪
あ、夕日が落ちてきた…!
いつの間にか日が暮れて辺りは暗くなっていきます。川岸にずらっと船を並べてちょっと休憩タイム。船上で宴会を楽しんだり、岸に上がってみたり。長良川でゆっくり過ごすのも楽しいけど、あ~鵜飼が待ち遠しい!
19時45分ごろ、下流で数発の花火が上がり、いよいよ鵜飼がスタート!
ドキドキ…!
そして…ついに!
遠くに見えた小さな篝火の光が、すこーしずつ大きくなって、鵜舟が目の前に現れました!
鵜匠が鵜に「ホウホウ」と声をかけながら、一隻ずつ漁をして長良川を下る「狩り下り」は、鵜飼の様子が間近で見れるんです。
揺らめく炎に照らされる、漁服、腰蓑を身に付けた鵜匠の姿。鵜匠が持つ10~12本の手縄(たなわ)の先で、一生懸命に泳ぐ鵜たち。見たことない幻想的な世界に、すぐに引き込まれます。じっと見つめていると、時々首をちゃぷんと水中に潜らせて、鮎をくわえて顔を出す姿まで見えて、もう大感激!「すごーい!」「かわいいー!」。思わず立ち上がり、後ろの人に注意されちゃいました…。
鵜の首には紐が結われていて、小さな魚は喉を通り、大きな魚は紐の上で止まります。喉に大きな魚が溜まって膨らんでくると、鵜匠は鵜を引き上げて上手に魚を吐き出させます。
鵜匠の手縄さばき、鵜匠と鵜の一体となった動きはとても優雅。
食べようと思って捕った鮎を横取りされるなんて、鵜がちょっとかわいそう。でも、毎日一緒に暮らしている鵜匠と鵜の信頼関係があってできることだとか。
「鵜と鵜匠は夫婦みたいなもんやでね。どっちが旦那さんでどっちが奥さんかはご想像にお任せしま~す」と船頭さん(笑) あ、そっか(笑)
鵜匠さんの凛とした佇まいも、すごくカッコイイ…!見とれてしまいます…♡
船頭さんに教えてもらって、「てっちゃーん!」と呼びかけたら、鵜匠の山下哲司さんが手を振り返してくださいました♪
6隻の鵜舟が川幅いっぱいに並ぶ「総がらみ」で、クライマックス!
ゆっくり下りながら深いところの鮎を浅いところに追い込んで一斉に漁をします。漆黒の長良川に均等に並ぶ鵜舟と、川面に伸びる篝火の光が、ひとつの絵のようで美しい…。
現実離れした幽玄な世界に感動していると、船頭さんが今日の収穫を見せてくれました!鵜がくわえた跡が残っているものが、鵜飼漁で捕れた鮎の印。料亭などで出されるそうです。鵜たちおつかれさま…!
鵜飼を終えた鵜舟が岸辺に近づいてくると、どこからともなく聞こえてくる拍手。
いつの間にか、会場全体が大きな拍手で包まれていました。
心の奥に、言葉では言い表すことができない何かが、響いてきました。
岐阜で鵜飼が始まってもう、1300年以上。そして今も、やっぱり長良川の豊かさと鵜飼の伝統は、私たちの心をぐっとつかんで離しません。篝火と闇がつくる光と影、水音や炎の熱さ、伝統を守る人々の息遣い。それは言葉ではなく、実際に目の前で見て初めてわかること。
ぜひ一度は、いいえ一度と言わずに何度でも、鵜飼の非日常的な感動を味わってください♪